ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート 「歴史から見るラテンアメリカのかたちーその3:独立しても実 現しなかった啓蒙思想」渡邉利夫
この論稿は、「歴史から見るラテンアメリカのかたち」シリーズの第三弾である。イスパノアメリカの独立を取り上げた。論点は、独立によってイスパノアメリカは変わったかについて、18世紀のヨーロッパで主流の思想であり、独立にも大きな影響を与えたとされる啓蒙思想を物差しに考えてみた。
筆者の結論は、独立は政治権力の所在が本国生まれのスペイン人、ペニンスラールから植民地生まれのスペイン人、クリオーリョに移っただけで、結局独立によって、植民地時代からの封建主義も貧富の格差社会も変わらなかったとするものである。特に社会の底辺を占める先住民、黒人等のステータスの修正を迫るものではなく、後に課題を残すものであったと結論づけている。独立戦争の具体的経緯については余り触れていない。
日本の高校の教科書にある独立は、アメリカ合州国の独立革命、フランス革命に続く「環大西洋革命」の一環であるという解釈についても再考している。このシリーズの筆者の最終目的は、歴史によってできた現代のラテンアメリカの姿を書くことである。
ファイル名(File Name) | 歴史から見るラテンアメリカのかたちーその3.pdf |
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ファイル容量(File Capacity) | 2 MB |
バージョン(Version) | 1 |
作成日(Published) | 2023年6月19日 |
ダウンロード回数(Downloaded Numbers) | 132 回 |
カテゴリ(Category) | ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート |